設備設計をする際に使われる建築設備CAD

CADとは、名前くらいは多くの人が聞いたことがあると思われますが、Computer Aided Designの頭文字を取った略語で、直訳するとコンピューター支援設計とかデザインといった意味になります。これは建築とか建設の場面だけではなく、世の中でおよそ図面を書くとか設計をするといったケースでは、今やなくてはならないものになっています。これが登場する前には、図面はもちろん紙の上に人が手作業で書いていました。それを元にして様々な物が作られるわけですからできるだけ正確なものである必要があり、フリーハンドで書くようなものではなく、ごく簡単に言えば定規とかコンパスや製図用の鉛筆などを用いて幾何学的に書いていたわけです。

今ではほぼ見られなくなってしまいましたが、製図を専門に行うようなエンジニアのためにそれ専用の用具が販売されていた時代もありました。これらは普通の人が日常生活で使ったり学生が授業で用いるようなものとは比較にならないくらいに精度が高く、複雑な製図を作成しても狂いが生じにくいように工夫されています。

何らかの物を思ったとおりに正確に作り上げようと思えばこのような設計図はほぼどんな分野であっても必須であり、橋やトンネルなど土木分野とか種々の機械設備を作る場合もありますし、もちろん住宅でも当てはまります。あまり関係ないように思えるかもしれませんが、ジュエリーを加工するとか電子回路を作ったり、あるいはアパレル製品であっても全く無関係では決してなく、このように考えると私たちが普段目にするようなもので、工業の力がそこに関係しているようなものにはほぼ何でも必要とされているとも言えるわけです。

ですが、いくら専門のエンジニアが精密に設計図を書こうとしても、人間が手で行うことには限界があります。非常な正確さが求められるケースでは、描く線の太さも無視できないようになってくる場合があり、複数の線の太さがそれぞれわずかに異なるだけで正確性が損なわれたりすることもあったりするのですが、プロであってもそこまで厳密に描くことは容易なことではありません。そこで登場したのがコンピューターによって図面作成をサポートすることです。コンピューターであれば線の太さがばらつくようなことはありませんし、複雑な図形の中の特定の1本の線だけを消すといったことも簡単にやってのけます。もちろんデータを記録して他の場面で再利用することも可能になります。