CADとCAADの違いは、基本的には一般的な機械設計や構造設計に利用される支援システムがCADであり、その中で特に建築設計に特化したシステムがCAADと言う解釈がなされています。基本的にはその動きに大きな違いはありませんが、実際に建築設計に特化した様々な条件やプログラムが含まれ、高度な支援設計を行うことができるのがCAADとなっているのです。
一般的な機械設計の場合には様々な寸法やその経路等を確実に表現することが重要なポイントとなっており、人間が手書きで図面を作成する場合に比べて様々な区別がしやすくなっている点が特徴となります。人間が手書きで図面を書く場合には、状況に応じてその表現を省略してしまうと言うことも少なくありません。しかしあくまでも図面は第三者がこれを見て実際に様々な部品を設計したり、電気回路を構築するためのものであるため本来は省略される部分があってはならないものです。そのためコンピューター新設定の場合にはこのような設定者の主観による様々な表現の誤りを是正し、よりわかりやすい図面を作ることを目的としています。
しかしコンピューターによる支援設計を建築設計に応用する場合には、その他にも様々な要素を付加しなければなりません。最も重要なのは構造設計による強度の確認であり、これは単純に図面を作成するだけではなく実際に図面上で様々な材料を想定し、これに応じて設計通りの組み合わせをした場合の強度が基準を満足しているかを判定することが必要となります。建築支援設計ではそのための様々な情報がソフトに含まれており、これらの情報を設計図面の上に加えることでより安全性の高い設計を行うことができるのがポイントです。
CADは、基本的には人間が様々な設計を行うことをコンピューターにあらかじめ記憶されたテクニックやプロセスを用いて支援するものとなっています。そのため人間の設計を超えた判断をする事は基本的にはありません。しかし建築設計に特化したCAADの場合にはその他に様々な定義を盛り込むことで設計誤りをなくし、構築される建築物の安全性を確保することに寄与しています。現在では建築設計以外にも様々な目的を持ったCADが存在しており、用途別に区別されることも多くなってきました。そのポイントはそれぞれの分野で特化した情報を基本的な機能に加えて網羅している点で、設計者にとって誤りやすい様々な項目をコンピューターの定義により支援することで、より高度な設計支援を行うものとなっています。