CADソフトウェアの種類

CADソフトウェアの種類

設計に最適化されていて扱いやすく、コンピュータで線を引いたり編集や修正も容易なCADは、大きく2Dと3Dの2種類に分けられます。

2DCADは三面図で構成されているのが特徴で、端的にいえばX・Y・Zと3つの視点で見ながら図面を引くイメージです。対する3DCADは3DCGソフトウェアに近いイメージで、画面の仮想空間の中に立体的な図面を引く感じです。2Dは三角法で異なる視点の図面が描写されますから、各視点を見て頭の中で物の形状を思い描いたり把握する必要があります。

一方、3Dは画面に立体化されたモデルが表示されるので、頭の中で立体的に捉えようとせずに済みます。また見た目だけでなくデータ的にも奥行きや厚みがありますから、体積を測るのも容易です。表面積も算出できますし、質量を知ることも可能なので、視覚情報以外の情報も得やすいことが分かります。
更に面白いのは重心まで分かったり、部品の噛み合わせや干渉についても把握できることです。ただし、データ量が2Dの比ではないので、複雑なモデルを作成するとファイルサイズが肥大化します。

2Dは線を中心に構成される図面の作成に最適で、図形を用いることもできますし、ラフに使えるのもメリットだといえます。しかし立体物のそれも複雑な形状には不向きで、使いこなすには技術と経験が求められるのも確かです。3Dは直感的に形状を把握することが可能ですが、モデルのデータ作成に知識が必要です。使いこなせる場合は非常に強力なツールですし、様々なシミュレーションによる設計の支援が受けられるようになります。建築や土木に機械設計など、分野別に特化している製品もありますから、種類は細分化していて用途や目的に合わせて選べます。

シミュレーションは流体力学やエアフロー、熱解析やプラスチック射出成形などもありますし、自動車の軽量化に特化したものまで存在します。このように、CADは既に種類が無数に増えていて、どの分野においてもなくてはならないものとなっています。高度な機能はコンピュータの性能が飛躍的に向上した結果実現しており、例えば10年前や20年前とはできることがかなり違うといえるでしょう。

CAあくまでもソフトウェアの一種ですが、コンピュータの可能性や価値を引き出す存在であって、頭の中のアイデアを形にする支援を行う心強い味方でもあります。特化型を専用、多用途に使えるものを汎用といって、独自に進化した高機能な数々のCADが設計や製造などの現場を支えています。