電気製品などの設計に利用されるCADは、電気CADもしくは回路設計CADと呼ばれており、現在の電気回路設計において非常に重要な要素を占めるものとなっています。回路設計CADとは電気製品に利用される様々な電気回路を効果的に設計するCADツールとなっており、アナログ回路設計やデジタル回路設計を行う上で、ミスをなくし効率的に設計を行うことができるのが特徴です。従来はこれらの設計は手書きの回路図を作成することで行われることも多かったのですが、手書きの場合には設計者の知識に頼ることが多く、様々な配線ミスや接続ミス、もしくは素子の選び方の誤り等も数多く発生していました。
これらの回路設計に利用される回路図CADは、効率的な作業を行うことができる上ミスをなくす上でも非常に効果的なものとなっているのが特徴です。あらかじめ登録されているそれぞれの集積回路や素子のデータにより、論理的に接続ができない場合にはその配線が完了せず、設計者のミスを自動的に指摘することが可能です。またこれを利用することで回路設計に必要な様々な電気的要素を自動的に計算し、万が一動作上問題が生じる可能性のある場所を指摘するなど、設計者のミスを減らすようなサポートを自動的に行う機能を備えていることが多くなっています。
電気製品の設計のアートワークは、それぞれの工程を効率的に行いながらその全体像を効果的に描くことが重要なポイントです。しかしこれまではそれぞれの作業を全て人手で行っていることが多く、そのアートワークの全体像を描く事は非常に難しいものとなっていました。熟練した豊富な経験と知識が必要であり、またどの部分を先に行うかによって製品のイメージが大きく変化してしまうため、事前に十分に検討を重ねなければならなかったのが実態です。回路設計CADを利用することにより、これらの問題を効果的に解消することができるとともに、回路図設計の効率を高め、総合的な製品コストを削減することが可能となっています。
回路設計CADの特徴は、様々な設計作業を合理化するだけではなく、総合的なアートワークを効率的に実現する点にあります。また品質管理の上でも回路設計の段階で容易に動作シミュレーションを行うことができるため、その結果を踏まえて設計の改良をスムーズに行うことができることから、近年では電気製品の設計に広く用いられるものとなっているのがポイントです。